街角に 静かに咲く
水色のドアが 朝を迎える
まだ温かい プリンの夢
メレンゲの雲が そっと舞う
クッキーの香りに 揺れる午後
季節のタルトが 陽だまりになる
小さな手が編む 優しさの歌
ふわり ふわり 甘くて淡い
雲のかけらを 一口運ぶたび
心の中の 子供が目を覚ます
焼きたての記憶は 遠いフランスの街
夢とうつつの 間にある店
素朴という 言葉の奥で
シュトーレンが語る 冬の祈り
時を編むように 焼かれた想い
オーブンの奥で 光が踊る
ファーブルトンの静けさには
祖母の手の温もりが まだ残ってる
粉とバターと 忘れかけた日々
ふわり ふわり 風に溶けて
雲のかけらを 一口運ぶたび
失くしたものが 胸に帰ってくる
焼きたての記憶は 誰かの愛の形
甘くて 脆くて でも消えない
このドアを開けたとき
あなたの中の 小さな私が笑う
雲のかけらに そっと包まれて


